同窓会長挨拶


 平成30年10月の総会におきまして、伝統ある群馬大学医学部同窓会・刀城クラブ会長に就任いたしました。身に余る光栄と存じております。
 今年2019年は、前橋医専が設立された1943年から数えて76年、1952年の刀城クラブ設立からは67年目を迎えます。私が医学部に入学した1969年当時は、全国で46大学に医学部があり、群馬大学医学部は後発の大学とされておりました。その後新設医大の設立が相次ぎ、現在では国内では82大学に医学部があります。この約80年間に群馬大学医学部は同窓の皆さま、そして他大学から赴任された教職員のご努力で、先発の大学に対抗するようにして大きな発展を遂げて参りました。
 昭和キャンパスの銀杏は、数は少なくなりましたが正門から南北に貫く抜く医学部の目抜き通りに立ち、医学部の歴史として慕われております。大学病院設立当時から残っているただ一つの建造物とされる丸池は、銀杏並木のそばの憩いの場として残っております。西門から入ると目の前にあるヒマラヤシダは80年の伝統を示す巨木となり医学部の象徴のように立っております。そばには同窓会創立60周年を記念して植樹された枝垂桜があり、これからの歴史を刻んでまいります。
 2004年(平成16年)の国立大学法人化に象徴されるように、現在の大学を取り巻く環境は大きく変化しております。独法化までの国立大学は国の指導のもとで、細かく定められた規制の下に運営されておりました。独法化により大学の自由度が増した反面、自助努力が求められるようになりました。国からの交付金は年々減らされ、外部資金の獲得が各々の大学、教員に求められ、その実績が大学の評価にも繋がるようになりました。群馬大学基金が設立され、今までは各学部、教室に向けられた外部資金は大学がまとめて管理するようになりました。また、大学間の統合なども水面下で進んでおり、国立大学の統廃合を含めた再編成も噂されております。
 刀城クラブの本来の目的は会員相互の親睦と研修を図ること、群馬大学医学部の発展に寄与すること、学術研究の向上に貢献することとされております。刀城クラブは定例行事、そして同窓会報を通じ、また全国に設置された同窓会支部活動により、会員間の親睦を深めてまいりました。同窓会は会員の親睦を図る活動を十分に果たしておりますが、同窓会行事への参加者は年々減少傾向にあり、同窓会は会員の連携を深める更なる活動が必要になっております。
 そのような社会情勢の中で群馬大学でも理工、教育、社情、医学4学部合同、医学部保健学科紫水クラブを含めた5同窓会が連合し、全学同窓会を結成することになりました。現在は合同同窓会の会則の詳細の詰の協議がなされている段階に至っております。これは全国の国立大学に共通した流れであり、大学側は、同窓会に対して大学と社会の接点としての役割を期待しております。
 2019年は改元が予定され、アジア、EU、そしてアメリカを中心とした世界情勢とともに、日本を取り巻く環境にも大きな変化が予想されます。刀城クラブは、会員相互の親睦を深めるだけでなく、海外協力を含め大学の発展、医学の発展に寄与する活動を高めることが求められております。刀城クラブはさらに基盤を強化し、大学の自治を守り、支援していく活動を強め、群馬大学に対する卒業生の思いを反映させていく力を持って行きたいと考えます。会員の皆様のご支援、ご協力を賜るようお願い申し上げます。

平成31年1月

群馬大学医学部同窓会長
白倉 賢二(昭和50年卒)



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