2019年3月9日(土)、東京・渋谷エクセル東急で開催しました。会を始めるに当たり、会計幹事であった故松峰敬夫先生のご冥福を祈り、黙祷をささげました。
 参加者は56名で昨年にも増して多数の参加者数でした。ことに女性の先生方が、10人を超えて参加していただき、華やかさも際立ちました。懇親会に先立って記念撮影をしました。写真でご覧いただくように、参加者が多いので一人一人の表情が昨年同様に具に読み取れない状況でした。
 例年通り小原甲一郎相談役(昭39卒)の司会で、式次第により進行しました。今回は新任の白倉賢二同窓会長に来駕いただき、群馬大学全学同窓会の現状や、医学部教授会と同窓会との連携についてのお考えをお話しいただきました。その後、2018年10月20日の同窓会総会で地域医療貢献賞を受賞された根本博文先生(昭48卒)にご挨拶いただきました。今年度の活動報告や会計報告などに引き続き、特別講演に移りました。今回はテレビ番組にも登場する、二人の熟年の同窓生のご活躍を拝聴しました。
 特別講演Tは新浪博士先生(昭62卒)による「最新の心臓外科の動向」でした。群大卒業後、東京女子医科大学附属日本血圧研究所に入局し、米国、豪州留学、順天堂大学で心臓外科の研鑽を積まれ、平成19年埼玉医科大学心臓血管外科教授となり、平成29年8月女子医大心臓血管外科の主任教授に就任されました。講演の冒頭では世界の心臓外科の歴史を解説され、国内では女子医大心臓外科初代教授の榊原?先生が本邦初の心臓手術を行い、女子医大から本邦の心臓手術の黎明期を担ったことを説明し、今年が榊原外科講座開講70周年になることに触れられました。その後、現在の心臓外科の動向の話題に移られ、冠動脈バイパス手術は動脈グラフトを多用化することでカテーテル治療よりも生命予後を改善でき、人工心肺を使用しないオフポンプバイパスで行うことで、さらに成績を向上できることを解説しました。また、大動脈弁や僧帽弁に対するカテーテルによる血管内治療の最前線の話を、動画を使ってダイナミックに解説されました。
 特別講演Uは木村裕明先生(昭61卒)による「エコーガイド下fasciaリリース 肩こり、腰痛への応用」でした。群馬大学卒業後麻酔科に入局し、済生会宇都宮病院、亀田総合病院、伊勢崎市民病院を経て、平成6年に木村ペインクリニックを開設されました。その後日本整形内科学研究会会長に就任されました。初めにfasciaの解剖、電気生理学について解説され、医師だけでなく多職種のメディカルスタッフのチーム医療により、発痛原を検索することで治療の能率を上げていることを強調されました。発痛原となるfasciaの癒着を確認すると、局所麻酔薬ではなく生理食塩液を、超音波エコー下でリアルタイムに原因病巣に注入し、癒着をリリースすることで痛みをなくす治療法です。「本当ですか?」と疑いたくなるような話ですが、実際に治療を受けた患者さんのビデオでは、即座に症状が改善することが示されました。腰痛・背痛に関わる症例が多数提示され、治療効果が強調されました。本当に驚くばかりでした。
 お二人の先生の講演に熱せられ、興奮が冷めやりませんでした。懇親会に移っても議論・討論に花が咲き、約1時間の会食の一時を過ごしました。閉会の辞を、恒例になった一番若い卒業年次の岸上史士先生にお願いし、2020年3月14日の第13回総会で再会することを約して散会しました。
 私事になりますが、今回で東京支部会長を辞任します。6年間ご指導、ご鞭撻を頂きありがとうございました。幹事として事務局を担当された菅野倍志先生(昭49卒)に感謝いたします。会長の後任には、先般東京警察病院の病院長に就任された、長谷川俊二先生(昭52卒)にお願いすることになりました。

 







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