2017年3月4日(土)、例年通り東京・渋谷エクセル東急で開催しました。参加者は34名で昨年とほぼ同じ人数でした。
 小原甲一郎相談役(昭39年卒)の開会の辞があり、式次第により進められました。2016年10月22日の同窓会総会で地域医療貢献賞を受賞された熊谷紀元先生(昭和41年卒)にご挨拶いただく予定でしたが、急な事情により欠席されたため、出席者の皆さんにはご報告のみにさせていただきました。会計を含む支部活動報告の後に講演会にうつりました。  
 今回は第10回という節目の東京支部総会を記念して、飯野祐一同窓会長(昭和46年卒)にご講演をいただきました。飯野会長の講演は「群大病院の医療事故:最終報告と今後の支援」という演題でした。東京支部世話人からたってお願いして2014年6月に発覚した、群馬大学第二外科での腹腔鏡手術に関する医療事故の経緯を、同窓会長という間近の立場で見て、改善・改革の軌跡を回顧し、われわれ同窓生はどんな支援ができるか今後の課題も含めて解説していただきました。大学からは「群馬大学医学部付属病院 改革への取り組み(平成28年11月1日)」に、また病院の取り組みや医療安全管理体制などの情報を「群大病院だより(第1号;2017年1月発行)」で発信しており、詳細をご覧いただけます。その中で飯野会長は、長年にわたる講座制に起因する上司への発言の遠慮、講座間の横のつながり換言すれば「チーム医療」の欠如、リーダーシップとガバナンスの不備を強調されました。今後の再発防止と「特定機能病院」の復活に向けて、国民・県民の皆さんの信頼を取り戻すための様々な改革策とその実績の一部を紹介されました。病院としての今後の改革を「医療安全・管理学講座の開設」、「先端医療開発センターの設置」、「地域医療への貢献」の具体案をもって推進するそうです。群大医学部が直面する現状を具に聞かせていただき、大変有益な講演でした。参加者からは、医療事故に関する原因追究や、それを発生させ、容認した責任問題などについてご意見がありました。また、「学外にいる我々同窓生は何をすればいいか」を考えさせられました。「同窓会として何らかの企画を考えてもらう」、「一人一人が個人的に有形・無形の支援をする」ということになるのか。あまり具体的な方策には至りませんでしたが、これから皆さんとともに思考したいと思います。
 二つ目の講演は世話人会で指名された私が「糖尿病網膜症による失明予防の戦略」という演題で講演させていただきました。@1960年代から始まった糖尿病網膜症に対する様々な研究成果により、この病気で失明する危険性が抑制されてきたこと、Aそれでも失明する患者は後を絶たず、その対策として患者教育、放置・中断対策のための「糖尿病眼手帳」を作成したこと、Bそれを効果的に利用するためにメディカルスタッフを巻き込んだチーム医療が有効であることの、3つの戦略について解説しました。時間切れのため質疑は打ち切りとなりました。
 今回も東京都医師会の生涯教育認定事業に指定され、申請により1点が獲得できます。







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